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まことに残念ですが…

歴史的な名作を紹介した本や、作家を紹介した本は沢山ありますが、本書はそんな名作が出版社にどれだけ断れられたかをまとめた世にも珍しい一冊です。時代がどう変わっても、お話の傾向には流行もあれば廃れることもあり、また本を出す側の都合もそれぞれにありますが、それにしてもとてつもない「没」の数です。数世紀もの時を越えて語り継がれるような超名作も、世間の注目を独占したあの作品も、まったく容赦なく不採用を食らい続けています。大作家たちも、後の名作を引っさげてなお、ひどい文句とともに作品を突き返され続けています。

あのジョージ・オーウェルも、バーナード・ショーも、ジャック・ロンドンも例外ではありません。そして、作品から感じる熱気や真摯さと比べての、断り文句の素っ気無さときたら、不満の一つも、というより、後々に至っても愚痴の種になりそうなほどです。元々が洋書ですので、日本では馴染みの薄い名前もいくつかありますが、それでも世界的な名作の数々がここまでの不遇を余儀なくされていたことには驚きを禁じ得ないところではないでしょうか。

さて、本書は作品タイトルに作者名、簡単なプロフィールが入って、断り文句が記されるという非常にシンプルな構成ながらも人気を博し、作家になるためのノウハウをつづった本の中でも推薦図書として挙げられることもありました。それは、名作が味わった待遇を通じて、不採用になるのは当たり前のことなんだ、諦めない精神が大事なんだと、今一度もっとも基本的な部分を再確認させるところにあるのでしょう。作家系ゴシップのタネ本としても使えますが、やはり作家志望で、しかもなかなか望むような結果が得られないという方に、激励の意味でオススメしたい一冊と言えます。